生産者を中心に安曇野で活動をされている方へのインタビューを通して、その魅力や想いを発信する企画、「つむぐ人々」
第2回は安曇野ブルワリーのBREW PUBでも食べれる安曇野の名産品『つぶら揚げ』を生産している「辰巳」さんにお話を伺いました。
※夏のインタビューになります
— よろしくお願いします。
えっと、これは、大体1日何匹ぐらいここ(養殖場)から持ってくんですか?
そうですね、1000本から2000本ぐらい1日に。
–そんなにいっぱい!すごい…!
じゃあそのままお話伺いたいんですけど、創業は何年ぐらいになるんですかね?
始めてから60年ぐらいは経ちますね。はい。
–1番最初はおじい様…
そうですね、おじいちゃんから始まって。
–おじい様は、ここの方で、ニジマスとかサーモンに目をつけたってことですかね?
サーモンは最近ですね。
–じゃあ最初はニジマスの養殖から?
ですね、はい。
今は取り扱っている魚は、ニジマスと信州サーモン、イワナです。
–結構これだけの飼育をするのに大変だと思うんですけど、何かこうご苦労とかありますか?
いやぁ、最近は餌代とかね、油とかが全部上がってきちゃってるもんで…こう維持してくのはやっぱり。
–そうですよね…
ここを始めたきっかけとかってあるんですかね。水が綺麗だったとか?
そうですね、ここはわさび田の水が入ってるもんで、水が綺麗だからここで始めたんだと思います。
–えっと、社長さんで3代目に?
そうです。3代目です。
–こう、3代目を引き継がれて、ご苦労というかありますか。
3代目になったばっかだもんで、もう忙しくて。
バタバタバタバタやってるだけで、もう何が苦労なのかわかんないぐらいね。今は。
–そうですか。卸している先っていうのは、どういうところに卸しているんですか。
市場とか、つぶら揚げは学校給食ですね。
あと、旅館とかああいう所にもいれますね。ホテルとか。
–そうなんですね。あと、観光客の人がお土産として買う手段としては?
はい、サイトですかね。あとは、こここちらに買いに来たり、あとイオンさんとかにも出してます。
西友さんとか、アップルランドとかも。
–結構いろんな所で出していますね!
新州サーモンとかはどこにおろしてるんですか?
信州サーモンはやっぱホテル、旅館、市場が多いですね。うん。
–今結構コロナ禍になってますけど、その前後なんかは差はありますかね?
なったばっかりは、旅館とかで動かなくなったもんで、信州サーモンもちょっと売れ行きがなかったんで餌を控えたりしていたんですけど。
そしたら、今急に売れ出して、品が間に合わない状況です。
–そうなんですね、今もう本当にすごい需要が高まっているって感じ。
そうですね。アメリカのバイデンさん、大統領。
–はいはい。
あそこに信州サーモン持ってったんですよね、テレビで見ました。
あいうのでどどんと。
–あー、そういうのってすごい影響あるって言いますからね。
私たちもただこう、地元のつぶら揚げとかを出すだけじゃなくてその裏というか、その信州サーモンを育てて作っている方の声だったりとか、こうちょっと、それを通して私も知らなかった事も外に向けて知ってもらえたらなって思っています。
でもすごい、1年目の稚魚がここにいて、大体このぐらいになるまで何年ぐらいかかるんですか?
1年…2年まではかかんないぐらい。
ほんとは夏卵があれば、ここに夏卵の魚があれば、ここまで池いっぱいなんですけど、去年コロナの関係で入れなんじゃったら、魚が今居なくなっちゃって。
ちょっと減らしたら急にまた需要が高まって。
–コロナとかで学校給食がなっちゃったので、やっぱりそういうのにすごい左右されますね。食べ物っていうのはね。
向こう(他の場所)にも、魚はちょちょっとずついるんすけど、うん、そんな多くないんですよね、今。
今になったら、もう間に合わないって言って、一生懸命です笑
–そうなんですね笑
–あの、稚魚っていうのは、また別な所から来るんですか?それともここで孵化させるんですか?
ニジマスは、向こうの方の池に親マスがいるんで。そこで絞って受精させて、有明の稚魚センターに持っていって孵化させて、餌付けをしてからここに持ってきます。
–じゃあ大体このぐらいのサイズ(やや育った状態)になってから来る感じで?
そうそう、ここのはちっちゃいけど本当はこれぐらい(やや育った状態)まで育ててから。
こっちも、ここにすごいちっちゃいのがいるんです。
–ここちっちゃいですね。
あ、なんかいるいる!でも結構大きいですかね、大きくはなってそうですよ。
今これしか持ってきてないですけど、この10倍ぐらいはまだ有明の方に。
–そうなんですか!
でも、小屋はここで、こっちの大きい池に移したいけど、網じゃないとまだ出ちゃうもんで…
–ちっちゃすぎて?そっか、そういうのも大変ですね、移すの。
次の手がいっぱいあるもんで、早く持ってきてみんな大きくしたいんですが。
–そっか、出なきゃ間に合わないですもんね。
–イワナもどうされてるんですか?
イワナも自分の所で育てて。
–えーすごい。信州サーモンは?
信州サーモンだけは水産試験場で作ってもらわないと稚魚ができないもんで。
–あ、そうなってるんですね。
で、そっから選んでこっちに持ってくるみたいな。
選んでというか、何万匹き売ってくれってお願いして、今年は16000匹。
大きくなるまで死ななんだら嬉しいんですけどね。
–やっぱり減ってくんですか?
鳥の被害が…
–ああ、今も飛んでましたけど、鳥はやっぱり狙うんですね。
そうですね、網張ったりして対策はするんですけど。
大きくなればそれも食べないもんで、信州サーモンあたりは 大きくなるまでは、向こうの網張った所で。
–すごいそういうご苦労があるんだ。天気とかは、そういうのにも左右されるんですか?
夏場が暑いと、餌の食い気はやっぱ悪いから…そうなんです。
まあ、1回目は朝早くくれちゃうもんで、冬はいいうちにくれちゃうけど、夏場は夕方なかなかね、もう暑さが引かないんで。
病気も出やすくなってますね。寒い分には全然強いんですが。
–あ、寒いのは強いんですね。
やっぱちょうどいい温度はありますね、春先と秋ぐらいは
–なるほど、長野県って春も秋も短いですよね、最近特に。
あー、寒い寒いって冬だと思ったらものすごい暖かくなってね、最近そうちょうどいい時期がちょっと短くなって。
–水車を回してると凍るってことはまずないですね。
流れてる水は凍らないですよ、冬場は、ああいうロップのとことかは凍ってますよね。
–水温は割と一定なんですか?
そうですね、あでも大王わさびさんがちょっと向こうの所だから水はちょっと変わりますね。
向この方はもう河川水だから、本当に高い水が流れてて、本当にわさび田だけの水だもんで、綺麗な水です。
いっぱい飼ってると病気はうつりやすいですけど、今年は魚が少ないんで、今は病気ないです。
魚にとっても今ちょっと住みやすい環境で。
–すごくいいんだ。
あ、今信州サーモン餌食べてますね。
すごい!食べてるのがわかる!
鳩も餌をつまみ食いしてますね笑
–ほんとだ笑
今日は色々聞かせていただいてありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします!