皆さんこんにちは、醸造部のカズです。
7月7日(七夕の日)に安曇野ブルワリーは初醸造を行いました。
銘柄は「安曇野エール”Sui”」です。
今回は安曇野エール醸造の様子をお伝えします!
少し専門的なところはご勘弁ください…!
ビールの主原料は麦芽とホップ、 そして 天然水です。
安曇野エール”Sui”に使用される麦芽、ホップ、水は全てここ、安曇野産のものを使用します。
つまり100%安曇野産のクラフトビールになります!
大麦とホップは自家農場で栽培されていて、シーズン中は見学もできます。
まず行うのは「仕込工程」
収穫された安曇野産の大麦「小春二条」を製麦という工程で発芽させた麦芽を粉砕して、麦汁を作ります。
麦芽のでんぷんが糖に変わっていくのでこの工程を「糖化」と言い、このタンクのことを「糖化タンク」と呼びます。
そこへホップを加えて煮沸していきます。
仕込釜の温水に麦芽を加えて煮ることで、「マイシェ」と呼ばれるお粥状のものになります。
Q. ところでなぜ麦汁をつくるの?
A. 麦芽に含まれる酵素の力でデンプンやたんぱく質を糖やアミノ酸に分解させるためです。 糖は酵母のおかず、アミノ酸は酵母の栄養源になるんです。つまり上手に発酵させるためなんですね。
「マイシェ」から固形物を除去するため、ろ過が行われます。
ろ過前はドロドロの状態なので濁っていますが…?
ろ過後には透き通った綺麗な色になります!
ろ過された麦汁は煮沸釜へ移され、そこへホップを追加して煮沸が行われます。
煮沸釜内は旋回していて、タンクの中で麦汁を旋回させることによって、凝集物を中央に集合させます。
煮沸の目的はいくつかあり、
- ① ホップと共に煮沸することでホップ成分を抽出し、香りと苦味を付加できる
- ② 微生物汚染の防止、泡持ちの向上
- ③ 第二麦汁によって希釈された麦汁を濃縮
- ④ 凝固性たんぱく質を凝集
- ⑤ 麦汁の殺菌
- ⑥ ビール特有の色を付ける
- ⑦ 好ましくない香りを揮散
といった目的があります。
続いて「発酵・貯蔵工程」に入ります。
まずは主発酵(前発酵)
煮沸が終わった麦汁は、ホップ由来の固形物と煮沸で生成した凝集物を取り除き、冷却しながら発酵タンクへ移 されます。
できあがった麦汁中の糖を酵母が分解し、アルコールと炭酸ガスが作り出されます。
そして熟成・貯蔵(後発酵)
熟成工程では若ビール(発酵終了直後のビールは味が粗く、未熟な香りなどを含むので若ビールと呼ばれます)を低温で熟成させます。
安曇野エール”Sui”の貯蔵期間はおおよそ 1 か月間です。
貯蔵期間中も品質管理を徹底しています!
最後に「パッケージング工程」。
熟成期間を経たビールは出荷されるためにビンや樽に詰め、完成となります!
今回は初醸造のお話でした!
また次回、お楽しみに〜